うっかりすっかり更新が滞ってしまいました…
伝えたいことは山ほどあるのに、
それ以上にアタマの中がてんやわんやで。
元来ひとつのことしか出来ない性分なのに
最近なぜか脳みそにどんどん様々なジャンルのアイデアが次から次へとなだれ込んでくるというか、それこそ泉(IZUMI)のように沸いてきてしまい、どれもやりたいことばかりなので自分があと4人か5人は欲しいです…
全く自分の処理能力の低さに、辟易する毎日ですが本業のセラピストという仕事は
そこまで素早い処理能力が必要というよりは、一人のお客様とじっくり向き合いながらカラダの声を聴いていく、どちらかというと「五感」「共感」が大事。
この仕事に出会えて、本当によかったんです。しみじみ。
手の感覚については、経験を積めば積むほど感度が良くなっていくので、こどもの頃自転車の乗り方を覚えたときのような面白さがあります。
人体がテーマなので、まだまだ学ぶことは果てしなく広く深すぎるのですが人生かけて研究して、おばあちゃんになるころには仙人と呼ばれたい夢(笑)
話が脱線しすぎてしまいましたが、
続いてまいりますアロマの落し穴。
ご自宅に精油をお持ちの方も最近は増えていると思います。
精油の取り扱いに関するあまり知られていない注意点をお伝えしていきます。
■精油は生モノです
生鮮食品、とまでは言いませんが、
まさに天然由来、人の手で合成されたものではなく、
同じメーカーでも、その年の気候によってワインのように品質のバラツキもあり得る生モノです。保存料などももちろん添加されていません。
製造されて瓶詰された瞬間から少しずつ変化していると考えてください。
精油は光、熱、空気による酸化で少しずつ変質していきます。
【光】
たとえ遮光瓶に入っていたとしても100%遮光している訳ではないので、瓶の保管場所もなるべく暗いところがベストです。
ちなみに、精油の遮光瓶は茶色や青などがありますが、実は茶色より青色の遮光瓶は若干光を通しやすいです。
茶色の瓶なら95%以上は光を遮断してくれるので、なるべく精油瓶としては茶色の方が望ましいです。青色の瓶も、美しくて好きなんですけどね…
【熱】
たとえば10℃に比べて20℃では、劣化の速度が2,3倍早くなります。
猛暑だったこの夏、冷房をつけていない部屋は30℃を優に超える日もあったと思います。ということは、そんな環境におかれた精油は冬期シーズンの約9倍劣化が進むことになります。
大抵精油の消費期限は開封してから1年以内、酸化が進みやすい柑橘系は半年以内と言われていますが、30℃を超える環境にずっと置かれた柑橘系の寿命は実は2ヶ月以下だったりするのです!
この精油、いつ買ったものか分からない…というような精油瓶が転がっているご家庭も実は多いのではないかと思いますが、もはやすでに期限切れかも。。
そういった精油は肌にふれるような使い方は決してしないようにご注意ください。
もったいないと思う方は、芳香浴程度であればそこまで問題はありませんが、本来の香りではないことをご承知おきください。
【空気】
一度蓋を開けたらそこから酸化は進んでいきます。また蓋を開けるたびに成分の一部が揮発していき、酸素と触れ酸化も進みます。なので、蓋をあけっぱなしというのは本当にNGですし、蓋の閉め方が甘いだけでもどんどん酸素と反応が進んでしまいます。
使ったあとは必ず、ギュー!と蓋を閉めましょう。
ですから精油販売店においてある精油瓶のテスターは、沢山の人が1日に何度も開けたり閉めたり、閉め方も甘かったりするので、どんどん変質していくことが想像できます。
なので、テスターで確認した香りと購入したばかりの精油を開けたての香りは結構違うこともよくあります^^;
■精油瓶の保管方法
上記をふまえて、まとめますと
①蓋をしっっっかり閉めて
②冷蔵庫で保管(匂い移りを防ぐために密閉容器に入れる)
※必ず立てて保存!!(横に倒れたまま長期保管するとプラスティックの蓋が溶けてしまうことも)
ただし、冷蔵庫に入れた精油瓶を使うとき、すぐに蓋を開けると精油瓶の中に水滴が発生してしまうので、あらかじめ出しておいて、常温に戻ってからフタを開けるという少し面倒な手間が必要になります。
ただ、水滴が発生したことによる劣化と、熱による劣化のリスクを比較すると、圧倒的に熱変化の方がダメージが大きいので、迷わず冷蔵庫保管をおススメいたします。
■精油の熟成
ここまで、精油はどんどん酸化するものだからとにかく早く使いきって!ということをお伝えいたしましたが、実は時間が経つと熟成されていい香りになっていくこともあります。
例えば個人的に感じることは
開封したてのペパーミントはあまり好きじゃないというか…半年くらい経ってきた方が、ツンとしたものが丸くなって少し甘さが加わって使いやすくなります。
ローズに似た香りといわれるゼラニウムも、最初は青臭いというか草臭いバラ…といった感じなのですが、こちらも時間が経つほどに青臭さが抜けてどんどん甘くなってこれぞバラの香り!というように熟成されていきます。
精油とのおつきあいの中で、いろんな香りの表情を見ることができるのも難しくも楽しい一面です。
精油を構成する成分には、性質的に酸化しやすいグループ、酸化しにくいグループとあって、酸化しにくいグループを多く含む精油であれば、酸化変質によるトラブルを考えなくてよいので、長く使えるといえます。
酸化しにくい精油
専門的な用語でいうと
モノテルペンアルコール、エステル、ケトン類は比較的酸化しにくく安定した性質をもつので、これらの成分が多くを占める精油は酸化しにくいです。
ペパーミント
クラリセージ
ゼラニウム
パルマローザ
ラベンダー
ローズ
ジャスミン
ローズウッド
酸化しやすい精油
モノテルペン炭化水素、セスキテルペン炭化水素、オキサイド類、アルデヒド類などは酸化しやすく変質しやすいといわれています。
これらを主成分とする精油を挙げると
柑橘系(オレンジ、レモン等)
サイプレス
ユーカリ
ジュニパー
ティーツリー
レモングラス
ローズマリー
幸いなことに、これら柑橘系やサイプレス、ローズマリー、ジュニパーなどは、老廃物除去の促進や血行改善、筋肉疲労などによく使う精油たちで、当店では使用頻度が高く短いサイクルで使いきってしまうので、ちょうど良かったですが…
これら酸化しやすい精油をご自分で購入する際は、なるべく少なめの量を買って様子を見るのが一番です。
ちなみに今回あらたに謎が出てきました。
サンダルウッド、ベンゾインなどの樹木系やベースノートの精油は長持ちしやすいといわれているのですが、ミルラやシダーの成分表を確認すると酸化しやすいグループのセスキテルペン炭化水素の成分が多く含まれる精油でした。フランキンセンスも成分の5割以上がモノテルペン炭化水素。
ミルラやシダーは酸化しにくいと私も記憶していたため、あれ?と思いました。
今後すこし時間をかけて調べていきたいと思います。